犬のしつけ方【子犬~老犬】まで基本から問題行動までを一挙紹介!
犬のしつけの必要性について
犬のしつけは、大型犬、小型犬の差はなく、どちらもきちんとしつけはしないといけません。
犬とともに暮らす上ではどこへ行っても迷惑かけないよう、どんな状況下でも飼い主の指示には従うようにしておく必要があります。
犬と一緒に行く事ができる施設として、
- ドッグカフェ
- ドッグラン
- 犬と泊まれる施設
これらを利用したいと考えたとき、最低限のしつけが完了していなければ受け入れてもらえません。
- 飼い主の指示に従わず
- 呼んでも来ない
- いつまでも吠え続ける
- 所構わず排尿する
これらの行為を飼い主が止められなければ施設を利用できなくなってしまいます。
また犬の嫌いな方はどこにでもいるので、無用なトラブルを避けるためにもしつけは重要です。
「うちの犬は小さいので特にしつけは必要ないですよ」と考えている人がいるかもしれませんが、犬のしつけは、犬の体重を一人で制御できるかどうかではなく、犬をきちんとコントロールし、周囲の方々への配慮の気持ちを明確に表現するものでなくてはなりません。
犬の立場から見ても、しつけされた犬は、どこへでも連れて行ってもらえますし、「お利口ですね」と褒められ、社会性が身に就くのでストレスを感じません。
しつけは犬にとってもメリットが多いので必見です。
犬のしつけをする前に「どうなってほしいか」をイメージする
しつけをするに当たって、将来どんな犬に成長してほしいのか具体的にイメージすることは大事です。
旅行に一緒に連れて行けるようにしたい
日ごろから愛犬がおとなしくマナーよく振る舞う犬にしたい
など具体的な目的を決める事が大事です。
犬は飼い主の真似をする?
犬は飼い主を映す鏡であると言われます。しつけのできていない犬を連れている飼い主は、犬にどのように教えたらよいか分からない人であり、その犬は飼い主の言う事が理解できず、いつも混乱しています。逆に、いう事をよく聞く愛犬を連れている飼い主は責任感があり、きちんと教える方法を知っている人なのです。
犬とのコミュニケーションがうまくいけば、誰でも楽しく愛犬と暮らす事ができます。犬を育てるということは、ただ厳しく接するのではなく、犬と意思の疎通をどのように図ったらよいかを学ぶことでもあります。しつけについての書物や専門家の話を知識として取り入れ、飼い主の責任と覚悟を持って、早い時期からきちんとしたしつけを心がけて育てれば、理解力のある素晴らしい愛犬との暮らしを手に入れる事ができるしょう。
犬には優れた学習能力を持っている!
犬は経験によって学習する能力が高く、驚くほど多くの事を習得する事ができます。とくに犬自身にとって都合の良い事であればある程、すぐに学習してしまうのです。
しかし、すべてが飼い主や人間社会にとって好ましい学習ばかりとは限りません。たとえば、破壊行動、拾い食い、催促吠えなど、困った行動をいつの間にか学習してしまう事が多々あります。遊んでいて偶然学習したり、飼い主が無意識に手伝ってしまうこともあるのです。そうなると後で修正することは非常に困難です。
成犬になった信頼のおける犬でいて欲しいのであれば、誤った学習をしないように、子犬を迎える初日から適切な環境を整え、手順を追って教え、正しく導いてゆく必要があります。
今後の事を考えたしつけを行う事が大切
よく散歩を催促してよく吠える犬になってしまった場合がありますが、吠えてうるさいからといって、つい予定の時間でないのに散歩に行ってしまうという経験はないでしょうか?。
この例で言えば犬は吠えたことに対してご褒美=散歩を貰ったようなものです。
飼い主は犬が吠え続けられると困るため、つい散歩に応じてしまいがちですが、これを繰り返す事で犬は、飼い主の都合が悪くても、散歩に連れて行ってくれるまで吠え続ける犬になってしまいます。
犬の行動はエスカレートし、毎日散歩を要求してうるさく吠えるという問題行動を起す犬になってしまいます。
こうなってしまってから修正する事は大変難しいので最初から、吠えていないときに見計らって散歩に行くという心がける必要があります。普段の生活の中でどんな時に犬が学習するのかを知り、間違った学習を犬にさせないように気を付ける必要があります。
そこで、しつけの初心者はもちろん、何度も経験したことのある方も、どなたでも簡単にできる方法をご紹介します。
しつけの方法と種類を紹介
自己流でしつけられる方もいますが
- しつけ方を教えてくれるしつけ教室に通う方法
- 民間の訓練所に預ける方法
- 訓練士に来てもらう出張訓練
などいろいろと選択しは存在します。
プロにしつけをしてもらっても自分自身でしつけ方法を学び、信頼関係を築かないと理想とする愛犬にはなってくれません。
訓練所やトレーナーに預けると、犬は色々なことを覚えてきますが、飼い主や家族から教わっていないのでなかなか言う事を聞いてくれないでしょう。
飼い主自身が愛犬とコミュニケーションをとれるようにしなければ高い費用を払って預けた意味はありません。
一番良いのは、専門家に教わりながら自分自身でしつけていくことです。
しつけは、子犬が家に来たその瞬間から始まります。
子犬のしつけ方法①教育係を決めよう
家族の中の一人が、まずは教育係になると良いでしょう。
幼い子供は犬のしつけには不向きです。子供はかん高い声を発声し、犬を興奮させてしまうので適していません。
また、高齢者では体力的にしつけることが難しい事があります。子犬を褒めるのに、膝や腰に痛みがあると、かがむ姿勢が取りづらい場合があるからです。
しつけは、体力面に問題がなく、犬に一番長く時間を一緒にできる人が理想的です。
犬によっては、男性と女性とで対応が違う場合があるので犬の安心できる方が行うようにしましょう。
また、しつけ中は家族がそれぞれに違う方法を取ると、犬が混乱してしまう場合があります。
家族内で同じ命令を出したりして邪魔しないよう気を付けるようにしましょう。
子犬を購入して1週間したら、少しづつしつけを始めることになりますが、トイレのしつけを考えると、家庭にいる人が継続してしつけるか、勤務している場合は休暇を取れるときに子犬の購入時期を合わせるのが好都合です。
いずれにしてもトレーニングの開始から1~2週間が勝負になります。
しつけはいつ頃から始めるのが理想的?
しつけは社会化することより優先されるものではありません。
「お座り」や「伏せ」などを教えこむ前に、他人と楽しく接することができるようにしたり、社会のあらゆる物事に慣らすことの方がはるかに重要です。
子犬の頃に社会化せずに成長した犬は、いくらしつけをしても興奮しやすかったり、臆病でいたりして、ストレスの多い性格となり、旅行などの新しい環境に不適応な犬になってしまいます。
そのような犬になると飼い主は非常に後にする事となります。
社会化するには、ワクチン接種期間中、生後2~3ヶ月までに限りなく多く機会を設けて、子犬を連れて出かけるようにしましょう。
車に乗せて楽しくドライブしたり、見知らぬ人に可愛がられたり、他犬と遊んだりといった幸せな経験が必要なのです。
子犬は生後3ヶ月頃までに社会化する
人間社会で生きていくためには、自分の家族以外の世界にも慣れることが必要です。
- 他人
- 他の犬
- 自宅とよその家
- 通りを行き交う人々
- 車やバイク
- 自転車や車いす
- 子供からお年寄り
- 獣医師や看護師
- トリマー
- 男性と女性
- 子供や若者のグループ
あらゆる物事、あらゆる状況に対して犬を慣らすこと。これを社会化と言います。
犬は成長過程で、生後3~16週間の時期にもっとも社会化されやすく、それ以降は新しい物事に対して恐怖心が芽生える時期に入ります。
つまり、新しい物事に対して警戒心が出てくるので、慣れるのに時間がかかるようになるとこの段階で非常に怖い思いをすると、心に傷を負うトラウマとなってしまいます。
そのまま成犬になると非常に心は硬くなり、一生かけても慣れることができなくなってしまいます。
なので、何よりも子犬時代は、社会化が大切なのです。
社会化することは時間的制約があるため、ワクチン接種期間中であっても、じっと家に閉じこもってはいけません。
ただし、地面に下すと他の成犬の排泄物などに触れて病気感染することも考えられますから、車に乗せたり、安全に抱っこして外の景色を見せて歩いたり、友人や近所の方に家に遊びに来てもらい、子犬をお披露目しながら楽しく遊ぶ経験をさせましょう。
また、子犬の社会化を促す教室も数多く開かれていますので、積極的に参加しましょう。
教室では、いろいろな人やたくさんの知らない子犬たちも来ています。楽しく遊び、触れ合うことで子犬は健全に、精神的にたくましく成長してゆきます。
成犬や老犬からでもしつけで良くなる!
もう成犬だから、10歳だからとしつけを諦めてしまわないでください。
犬には何歳になっても、人間と一緒で学習する力があります。
目標を決めてタイミングよく褒めて教えることで、歳をとった犬に新しく動作を教えることも可能です。
飼い主の深い愛情、犬と上手にコミュニケーションさえ取れれば、愛犬の生活の質を高めて、生き生きと暮らせるようになるでしょう。
子犬の基本的なしつけ方法
まずは名前を付けて、呼びかけて名前を憶えさせましょう。
注意を引くときや食事のときに名前だけを呼ぶようにします。「○○ちゃんおいで!」ではなく
「○○ちゃん、、、おいで!」といった具合に命令に間を置くか、命令だけにするなど、用語を区切り、用語は単純にするのがポイントです。
呼びかけに反応したらご褒美におやつをあげます。これを何回も反復すると覚えるようになります。
犬トイレのしつけ方法について解説!
大体のペットショップなどで購入した子犬の場合、トイレのしつけがされていない事が多いです。
そのため、家に来てすぐにところかまわずお漏らしや排泄をしてしまいます。
また、生後2か月齢の子犬は1日6~8回の排尿を繰り返します。
頻尿の理由は膀胱のサイズがまだ小さいこともありますが、膀胱括約筋の力が弱いことも関係します。
いずれにしても通常の1日3~4回の排尿回数になるまで半年はかかることが多いです。
2か月齢では2~3時間間隔
4か月齢では4時間間隔
6か月齢では6時間間隔
これを目安にトイレに連れていくことが必要です。
室内飼育が多いため、室内のトイレのしつけは屋内のケージの近くに置いたペットシートで行います。
購入時の子犬はペットショップの展示ボックスでトイレをする習慣にあるので、家庭に来たらその習慣を治す必要があります。
犬をお家に迎え入れる前に必要な準備とは?
子犬を室内で飼う場合は、あらかじめ環境を整えましょう。
子犬の居場所は室内の一角を決めてサークルに囲まれたスペース内に寝場所である居心地の良い
ゲージやベッド
清潔なトイレ
これらを準備して離して配置します。
水入れの食器、噛んでもよいおもちゃを与える他は、サークル内に噛んで壊されたら困る物などはない状態にします。
いたずらなど問題行動を防止するためには、このようにして環境を整えることがしつけの第一歩です。
子犬を迎えたら、あまりにも可愛いからといって、トイレもできない内から一緒に寝てしまったり、部屋を字自由に歩かせたりはしないでください。子犬は一日の3分の2は眠って過ごすので、お子さんが何度も出したりしてかまいすぎることは禁物です。
しつけは基本的に最初が肝心!
トイレのしつけが完了するまでは1~2時間おきに子犬をトイレに出してやり、正しくトイレができるように誘導し、ちゃんとできたらしっかりと褒めてあげて、しばらく遊んでやった後サークルに戻すことを繰り返します。
子犬は目覚めたときや食事の後、遊んだ後に排泄するので排泄を確認した後、ご褒美として20~30分程サークルの外に出して遊んであげましょう。
そして、子犬がトイレを失敗しないうちにサークルに戻してあげましょう。
夜間は5~6時間は我慢できないのでこまめにタイミングを見計らって、正しいトイレの場所で排泄させ、褒めて教えましょう。
サークルから出して遊ばせる際は、必ず家族の誰かが付き添い、室内をイタズラされないように子犬の行動を管理しましょう。
家具を噛んだり、粗相などの失敗をしてしまうと、修正する事は難しいので、最初から失敗を1度もさせないことが大切です。
何事も最初が肝心なので、噛まれては困るものは普段から片づけておきましょう。
イタズラを後で発見して叱っても、犬にはなぜ叱られたのか理解することはできません。第一、何もわからない子犬を厳しく叱ることはやめましょう。
飼い主が外出するときのしつけ方法を紹介!
今後頻繁に家を留守にさせる予定があれば、子犬の頃に1日に30分単位の短時間から、犬を独りにする練習を始めておきましょう。
出かける際は、さりげなく黙って出ていく事がポイントです。
犬に長時間留守をさせるならば広いサークル内に清潔なトイレと水を置きます。
外出が2時間程度であれば、ケージに入れて、食べ物を硬く詰めた噛んでよいおもちゃを与えて出かけましょう。それでも寂しがる犬であれば、ラジオなど人間の声が小さく聞こえるようにしておく方法もおススメです。
「言って来るから良い子にしててね」などと声掛けたりしない事です。
後追いしたり、来ている服に飛びついたりする事は問題行動へと発展させてしまうので黙って出かけましょう。
帰宅したときの正しいしつけ方法
ひとりぼっちで留守番をさせられた犬は、飼い主の帰宅に大喜びしたり吠えたり、時には暴れたりします。
しかし、この時に「ただいま~。さびしかった?ごめんね」などと抱き上げてしまうのはいけません。
これでは、帰宅の度に大暴れするように、犬に学習させてしまいます。
帰宅したら黙って室内に入って犬には挨拶しない方が、かえって犬の不安感をあおらずに済みます。
室内に飼い主がいるときと、いないときの状況が大きく違うと、かえって子犬に不安感を抱かせることになってしまうからです。
犬が落ち着くまで待ち、さりげなく他のことをして過ごしましょう。
そして犬が落ち着いたら普段どおり相手をしてあげて下さい。
スーッと出ていき、いつの間にか戻っているくらいがちょうど良いです。
子犬期に多い【甘噛みのしつけ方】
子犬と遊んだりじゃれたりしている時に甘噛みを覚えさせないようにしましょう。
興奮してじゃれているときに手や足、服などに歯を強く当てて来たら、すぐにはっきりした声で「痛いッ」と言ってぴたりと遊ぶのをやめましょう。
30秒~1分間じっと動かずにいるか、その場を離れて無視します。
子犬が「何で?」というかををしながら落ち着いてきたら、遊びを再開してやります。
いったん楽しい遊びを中断されることで、子犬は噛むと遊んでもらえなくなることを学習します。
子犬は次回からはそっと注意しながら加減して遊ぶようになるでしょう。
そうなると、つい歯を当ててしまったときは「あっ、しまったー」という表情をするようになります。
そうなれば表情も交えながら「痛いッ」と声を出し、遊びを中断するだけでよいのです。
大げさに叱りつけたり、叩いたりする必要はありません。
子犬の時期に噛む力加減を学ぶことは非常に大切なことでもあり、成犬になってからきちんと噛む力を調節して遊ぶことができるようになれば、飼い主だけでなく、近所の子供や他犬に対しても安全です。
噛むときの力加減が分からずに成犬になった場合、大きなトラブルが起こしてしまう原因になります。
犬を抱き上げる時の注意点
胸の下、お尻の下にそれぞれ手を入れ、腸手で胸にしっかり固定して抱き上げましょう。
犬を下す時は犬がおとなしくしているときにそっとおろします。
犬がじたばたと暴れているときは、落下の危険があるためおろしてはいけません。
暴れたときにおろしてしまと、それ以降犬は降りたくなると激しく暴れるようになってしまいます。
また、小学生程度の子供に犬を抱っこさせるのは危険なのでなるべく控えましょう。
おもちゃを使ったしつけ方法を紹介!
子犬とおもちゃを使って遊ぶ場合は、犬の名前を呼び、遊び開始の合図をしましょう。
遊びの開始と終了は飼い主が声をかけ、終わるときには、おもちゃをいきなり取り上げたりせず、飼い主の手におもちゃを渡すように教えましょう。
素直に渡したら、毎回よくほめてご褒美を与え、「おしまい」と言って飼い主が管理するようにしましょう。
人間にとっては些細なことですが、犬におもちゃを渡したまま遊びをやめてしまうと、飼い主に渡さなくなってしまうことがあります。
また、とくに小さな子供は犬のおもちゃを触ったり、取ろうとしますが、そんなとき犬に顔などを噛まれる可能性があるので、とくに小さい子供のいる家庭ではしっかり大人が見ていてあげて下さい。
なので、できれば犬専用に噛んでよいおもちゃと区別して与えておきましょう。
このおもちゃについては、犬のおもちゃ専用として子供には絶対に触らないように言い聞かせましょう。
このおもちゃがないと留守のときなどは、子犬は退屈して吠える原因となります。
食べ物を硬く詰めた丈夫なおもちゃを与えておくと、退屈がまぎれ、もてあましているエネルギーのはけ口となります。
また
- イタズラ防止
- ストレス解消
- 無駄吠え防止
などの役に立ち遊ぶものを区別する勉強にもなります。上手におもちゃを利用しましょう。
犬と外出する時に必要なしつけ方法
散歩は、犬にとって非常に重要な意味があります。
まず、体調を整え、体を鍛えるための運動。
そして、他人や他犬、町の騒音、車の往来など社会で見るさまざまなことになれるための社会化。
さらに、飼い主と散歩を通して築かれる信頼関係。
他にも
- 見る
- 聞く
- 感じる
- 嗅ぐ
といった犬本来の行動は、ストレス解消や情報収集、自分の存在を示すなどの意味があります。
なので、散歩はトイレのためだけとか、毎回近所を1周してくるだけというのでは犬は満足できません。
トイレ目的の散歩は公衆衛生上問題ですから、排泄は極力自宅内で済ませ、外出先では行動・私有地などを汚さない配慮も必要です。
歩くにしてもきちんとしたルールが必要です。
人とすれ違うような場所では、飼い主のすぐそばにつけて歩かせましょう。
ぐいぐい引っ張る犬には、しつけが必要です。
他人に飛びかかったり、吠えつけたりしないよう、マナー良くふるまえるようにしましょう。
また、散歩の時間は決めないで、その日の天候や時間によってわざとずらす事がポイントです。
逆に決まった時間に散歩に行くようにしていると、犬はその時間を本能的に正確に察知し、催促吠えをするようになってしまいます。
わざと吠えてない時間に連れ出すと、犬は静かに待っていられるようになります。
散歩中におけるマナーと必要な揃えるべき道具は?
○リード
犬をノーリードで歩かせると条例違反になります。
犬嫌いな人にとっては迷惑この上ない行為となります。
ノーリードでは緊急時に愛犬を守る事もできず、逆に損害を被ることもあります。
対人・対物問題が起きてしまったら、飼い主の責任で多額の請求を受ける事も実際にあります。
愛犬を大切に思う飼い主ならば、リードは必ずつけて、トラブルから守ってあげましょう。
排泄の処理の道具
社会問題化しているのはフンの後始末の問題です。
他家の前の路上や、敷地内に放置してくるのは論外です。
また、シャベルで糞を埋めてきてしまうのも衛生上非常に好ましくありません。
きちんと袋に入れて持ち帰って自宅のトイレに流すか、生ごみとして衛生的に処理するようにしましょう。
食事でのしつけ方法
食事は毎日おおよその時間を決めて与える事が大切です。
食事時間が一定ならば排泄時間も決まってきます。
決まった時間にトイレに出してやることで、失敗が少なく、しつけもしやすくなります。
食事を用意する際に「早く、早く」と催促する犬がいます。
そのときは、即刻餌を用意する事を中止します。
再び用意をし始めて吠えるようにならまた中止します。
静かに待っていたら、犬に「お座り」を命じて、座ったら静かに食器を置きます。
そして「よし!」などの言葉を合図に食べさせるようにして下さい。
もし食べ残してしまった場合は、いつまでも置いておかずすぐに下げるようにしましょう。
ダラダラと食べさせるのは良くありません。
食器を片づけようとして手を近づけると、うなったり、威嚇したり、噛みついてくる犬がいます。
犬はかつて人間の集落近くですごし、少ない食料で生き延びてきた歴史があります。
自分の食事を取られないまいとするのは本能的なものですが、幼い子供のいる家庭では大変危険な犬になってしまいます。
幼犬のころから、そのような兆候が見られるときは、食器に食べ物を少しずつ手で足してやるようにし、手に慣らすとよいでしょう。
取り上げると感じさせない事が大切です。
犬の食事場面でのしつけ内容
○名前を呼ばれたら飼い主の顔を見る
子犬に名前をつけてやるのは、飼い主の楽しみの一つです。
この名前を気に入ってもらい、呼ばれたらするに反応してくれるようにするには、次のしつけを行っていきましょう。
犬が飼い主の目と目を合わせることをアイコンタクトといい、食べ物を利用します。
においを嗅がせた後、鼻先から飼い主の顔の前に食べ物を動かすと犬は目で追い、飼い主の顔を見る形になります。
その瞬間に名前を呼び、すぐにご褒美を与えます。
褒美の食べ物は数ミリ角の大きさに小さくちぎって用意しておきましょう。
いろいろな場所、いろいろな時にあたえて名前を呼び、確実に飼い主の顔を見るよう仕向けます。
次に名前を呼んでみましょう。
大型犬でも子犬は小さいので、背の高い飼い主の顔を見上げるのは大変ですから、しゃがんでやりましょう。
名前を呼ばれたらすぐに飼い主の顔を見つめるようになれば、他にもいろいろなことを教える基礎になります。
成長後も散歩や食事の前に名前を呼び、継続して教えましょう。
名前を呼ばれると良いことがあるというイメージを犬が持たす事が大切です。
なので嫌なことをするときや、叱る時などは名前を呼ばないでください。
○おいでと呼ばれたら飼い主の元に来る
「おいで」は、飼い主と犬との信頼関係の証明にもなる大事なしつけです。
呼ばれても飼い主を無視して勝手に振る舞うようになってしまったらいけません。
ドッグランで遊ばせたいときは必須です。
これができなかったら、犬を離して遊ばせることができないですし、必ずどんな状況でもひと声で戻ってくるようにしてあげましょう。
名前を呼んですぐに飼い主の顔を見上げるようになったら、「おいで」も教えられます。
読んで来るようにするには、できるだけ早いうちに教え始めるのが大切です。
また、このしつけは必ずリードをつけて行うようにしましょう。
どんな場所でもリードははずすことができない場合がほとんどですから、習慣にしてしまいましょう。
そうすれば、犬は本当にリードを外してやっても、遠くに行ってしまうようなことは避けられます。
少し離れた位置からしゃがんで、子犬の名前を呼び大きく手招きす。
「〇〇、おいで!」と言って子犬があなたの懐に飛び込んで来たら「いい子だ!」と優しくほめて、食べ物を与えながら、なでてやると良いでしょう。
後ろ向きに歩いてついて来させるのも効果的です。
手元に来た子犬は、なでてやりほめますが、両ひざの間に来るまでは食べ物は与えないようにします。
そして必ず首輪を触りながら与えるようにします。
腕を伸ばして首輪を抑えると、犬は捕まえられてしまうと思い逃げるようになってしまいます。
嫌な体験をすると、犬は用意には手元に近づかなくなってしまいます。
そんな嫌な思いをさせないよう、食べ物をもらうときは、首輪に手が触れていることに慣れてもらうようにしましょう。
犬のしつけの基本!【お座り、待て】のしつけ方法
「おすわり」は、基本中の基本の動作で、非常に多様な役に立つしつけですから、必ずしつけておきましょう。
子犬を手元に呼び、鼻先から頭上すれすれのところに食べ物を掲げていると、子犬は頭を上げて匂いを嗅ぐでしょう。
自然と重臣がお尻に移動して「お座り」の姿勢になります。
ここで「おすわり」と言いながら、ほめてあげましょう。次に「おすわり」と言いながら、ほめてあげましょう。次に「お座り」と言ってから、指示に従うようにしていきます。
犬は「おすわり」の言葉と座る動作の関連を理解して覚えていきます。
座らせる場所は飼い主の前、横、後ろなどいろいろですが、基本的には飼い主の横位置が良いでしょう。
必要に応じて位置を変えて練習するとさらにしやすくなるでしょう。
何度も続けて行うときは、あなたが後ろに下がり、犬を立たせて、「おいで」で呼び寄せ、「おすわり」を連続して行います。
こうすると、呼ばれたら、すぐに来て「お座り」する、お利口な犬になります。
また、伏せてから座る動作、立っている姿勢から座る動作も練習しましょう。犬はどれも同じ「おすわり」だと理解することが難しいので、初歩から練習する必要があります。
続いて、「おすわり」が即座にできるようになったら、すぐに食べ物を与えるのではなく、「まて」と言い、1秒程度待ってから与えるようにします。
犬は次第に立てるようになってきます。すぐに立ち上がってしまうときは、食べ物の位置を犬の鼻先すれすれに止めておきます。
「いい子だね」と褒めてから与えましょう。
次第に待つ時間を30秒間、1分間と伸ばしていきます。
あなたが左右に動いたり、犬の周りを1周したり、食べ物を持つ手を動かしたり、犬から離してみたりようにします。
動きそうになったら、「待て」と言い、待っている状態を声でよく褒めてあげましょう。
一瞬じっと待たせてからさらに褒めます。
待たせた後は、必ず「おしまい」などの介助の言葉を使用して、指示を解きましょう。
何時まで待っていなければならないのか、犬が勝手に判断することはさせてはいけません。
必ず、「指示を出したら解除する」ことをセットにして教えて下さい。
立って、立って待てのしつけ
「立って」は、獣医師に犬を診せる時や、手入れを行うときなどに教えておくととても便利なのでぜひしつけてみて下さい。
他人に触れられる練習もかねて行いましょう。白衣を着た人に犬を触ってもらう練習も非常に効果的です。
おすわりの姿勢から、犬を立たせるときは、食べ物を使用して行います。
座っている犬の鼻先から、水平前方に食べ物を数十センチ移動します。
それにつられて腰を上げ、立ち上げる際、「立って」と言い、うまく出来たらほめて食べ物を与えます。
「立ってまて」を教える際には、もう一方の腕をお腹の下に入れて、食べ物を触れないようにして姿勢を維持させると失敗させずに済むでしょう。
伏せと伏せでの待てのしつけ方法を分かりやすく解説
「ふせ」は、犬によってはなかなかしない場合がありますが、食べものやおもちゃを使って、坊や脚の下をくぐるような誘導方法を行うと、上手く伏せることができます。最初は、お腹が床につく前に褒め、食べ物を与えます。
続いて行うと、犬はついにはお腹をつけて完全な伏せの姿勢になります。
伏せている状態を静かに褒めて、「お終い」で解除しましょう。
また、伏せの姿勢から立たせるときは、鼻先から前上方に食べ物を引きあげると、犬の鼻がうまくついてきます。
待たせる動作は、以下同じ要領で確実に仕上げることができます。
- 犬に周りを歩いて回る
- スキップして回る
- 大きな動作で回る
- 犬の体をゆっくりとまたぐ
- 場所を変えて練習する
など変化をつけて練習すると良いでしょう。
飼い主の横について歩くしつけ方法
散歩の際にリードを引っ張ることなくついて歩かせるしつけは、本当にマナーができているかどうかわかるポイントなのでかならずしつけましょう。
リードの持ち方は、手にぐるぐる巻きにしないで、親指にかけてからリードをたたんで持ちましょう。
リードの長さは、首輪から下に少したるむ程度にします。
飼い主が引っ張ると、犬は自然にリードを引っ張ることを覚えてしまいますから、自分からリードを引っ張らないように気を付けましょう。
最初は自宅の廊下などで練習
一歩歩いて、犬が引っ張ったら直ちに立ち止まり、犬に引きずられないようにします。
犬があなたの横位置に戻ったら、再び歩き出します。
何度か繰り返すと、犬は飼い主の顔を見て、注意しながら歩くようになってくるでしょう。
そこで、「ついて」または「ヒール」の声と共に歩くようにして、うまくついて歩いている状態を良く褒めてあげましょう。
引っ張らないよう注意して歩けるようになれば、家の外でも練習するようにしましょう。
このしつけの間、普段の散歩では、ぐいぐい引きづられての散歩はお休みします。
早く普通の散歩がしたいところですが、引っ張る犬に負けてついて行ってはいけません。
「ついて」と声をかけた時、飼い主の横位置に戻って来るようになれば、散歩の際に、区間を決めて練習しましょう。
全コースをキッチリついて歩かせるのは、人も犬も集中力が持続しませんし、匂いを嗅ぐ自由を奪って散歩は犬にとってはつまらなくなるだけです。
ですから散歩中に区間を決めて、リードを伸ばしてやり、匂いを嗅いだり、よその犬と挨拶させることも良いでしょう。
しかし、いつでも「ついて」と言われたら、飼い主の横位置に戻るようにしなければなりません。
小さな一歩をたくさん積み上げていくような繰り返しで教えていきますが、大変根気が必要です。
しかし、数か月間頑張ると後で素晴らしい愛犬との散歩が実現しますから、ぜひ努力して見て下さい。
上手な褒め方とイタズラの対処方法
厳格にしつけるだけでは、家族の素晴らしいパートナーとしての犬は育ちませんが、反対に何でも許して褒めているだけでは解決しない場合もたくさんあります。
褒め上手になろう!
私たち日本人はどうも人前で褒める事が苦手な人が多いのですが、犬を褒めるという行為は、犬のしていることを積極的に認めるということです。
群れで社会を作って生活する習性のある犬は、認められるということを大きな喜びと感じる傾向にあります。
家族との絆を深め、ともに生きる生活者として、犬には大いに褒められることが必要なのです。
恥ずかしがらず、適切な行動をとった愛犬には、必ず褒めてあげるようにしましょう。
しつけでご褒美を与えるのも重要!
ご褒美は単に食べ物を与えるということだけではありません。
- 「いい子だね」と声をかける
- なでる
- 笑う
- 散歩に行く
- ボールを投げてあげる
- 体をかいてあげる
これらは犬にとっては素晴らしいご褒美になります。
ですから、ただ要求されるままになでてしまったりしては効果が薄らいでしまいます。
犬がご褒美をもらえるのは、指示に従って正しく行動できたとき、すばやく反応できたときなど、好ましい行動が取れたときです。
ほめるときは、その動作をとる最中、なるべく早めに声をかけてあげます。
上手くできたら、そこで食べ物などを与えます。
早めに声で褒めることで、犬はこれで良いのだなと、安心することができます。
そして、いつも同じ調子ではなく、度合に応じて心をこめて、愛犬の進歩を喜ぶ気持ちが大切です。
状況に応じて、さまざまなご褒美を使い分けましょう。
気持ちのこもった褒め方が犬にとって大切な報酬となり、理解者として飼い主の大きな魅力になるのです。
ご褒美の食べ物を減らしていく方法
いつも食べ物を使ってしつけていると、飼い主側もいつしか依存してしまうことになります。
ひとつの事を覚えさせたら、その後は、その行動を維持させるために、練習の度に毎回あげていた食べ物を減らしてゆく必要があります。さもないと、手の中に食べ物がないと言う事を聞かなくってしまうからです。
それを正しい方法で、食べ物を段階的に少なくして不規則に与える方法に切り替えましょう。
5回の練習で5回とも与えていた食べ物を、5回中3回に、1回、2回と不規則に増やしたり、減らしたりするのです。
抜くのは完全に不規則にします。
わざと不規則にすることで、次回はもらえるかもしれないと集中力が高まります。
いつもより特別よくできたときは、3つ食べ物を与える大当たりを用意し、大好きなチーズやジャーキーなどを与えると犬はとても嬉しくなるものです。
ギャンブル、パチンコにはまる人が人の心理状態と一緒です。
イタズラへをした時の正しいしつけ方法
例えば、言うが床にあった本にイタズラをしている現場に遭遇した際、多くの場合は「あっ!」とまず声を上げ、そして、「いけない!」と怒鳴りながら、逃げようとする犬の方へ駆け寄り、体を捕まえて「何やったの、こら!」などと叱り、壊された本を指さして、犬叩いたり、首筋をつかんでゆすったり、じっと目を見て長々と叱るでしょう。このように叱ると、犬にどのような影響をもたらすのでしょうか?
厳しく「ダメ!」「いけない!」と叱ることによって犬が学ぶ事があるとすれば飼い主への不信感、恐怖感だけでしょう。例え現場を押さえたとしても、犬は叱られることにで、「飼い主の大切な本をかじってしまいました。僕が悪うございました、ごめんなさい」などと考えることはできません。なぜなら、人間と犬がまったく異なった物事のとらえ方をするからです。
犬は本を壊していたときは、ストレス発散中で、とても楽しい気持ちで行っていたはずです。飼い主へのあてつけにしようなどと、犬には考えもつきません。それを後になって見つけた飼い主が、本を示しながら、「こんなこと、いけないでしょう!」「留守番させられた腹いせのつもりか!」などと叱っても、犬には何のことかさっぱりわかりません。むしろ、うなったりして抵抗するようになってしまうかもしれません。また、逃げ回って、飼い主と鬼ごっこを楽しんでしまう犬もいます。ですから、とたえ1分後であっても、その行為が終わってしまえば、叱っても無意味な訳です。
壊されたものは残念ですが、本来であれば、噛まれて困るようなものは置いておくべきではなかったと飼い主自身が反省しなければならない所です。犬がイタズラする原因は、犬の道徳心のなさではなく、飼い主の管理不行き届きによりものが大半となります。飼い主の大切なものがおいて置けば「イタズラしていいよ」と言っているようなものです。飼い主がうっかり原因を作っておいて後で叱られるですから、犬にとってはたまりません。これでは愛犬をわざわざ陥れようとしているようなものです。まずは、犬の行動範囲をきちんと管理すること、これがもっとも安全・確実な予防対策なのです。
では、もし犬に触れられたくない物にイタズラされそうになったら、どのように対処すべきでしょうか。
① 声で警告を発する
すばやく、短い声で「アッ!」などと言います。犬がこちらに気が付いてイタズラをやめたら、声で褒めます。手元に呼び寄せ、犬を別室に移動させ、犬の見ていないところで、イタズラされては困るものを直ちに片づけなけくてはなりません。
② 犬を退場させる
それでもやめない確信犯には、飼い主の注目を得たくてわざとイタズラしていることがあります。黙って犬を部屋の外に出してドアノブにリードを繋いて、1~2分間そのままにします。イタズラしたら家族から遠ざけられてしまうことで、犬は非常にガッカリします。部屋に戻された犬は、家族の顔を見て、どうしたら仲間外れにされずに済みか考えるのです。
③ 無視をする(飼い主がいなくなる)
イタズラを見ていてくれると期待していた犬は、家族がしらけて出て行ってしまうと非常にガッカリします。社会性のある犬には、仲間外れにされることは耐え難い事です。この方法ではイタズラが始まるとすぐ、毎回同じように犬を残して立ち去るのですが、はっきり示すようにする必要があります。隣室で家族が仲良くすると、家族の輪に加わりたくて、必ずイタズラをやめてくるでしょう。そうしたらさりげなく輪に入れてやりましょう。イタズラされて困るものは、当然ながら犬の見ていないときに片づけておきましょう。
ただし、普段から退屈を持て余したり、ストレスが高い場合はイタズラが激しくなることがあるので、愛犬の心理状態を考え、運動やスキンシップなどが不足していないか、十分反省してみましょう。
変わりにストレスを発散できるものを与える
家具を噛む、穴掘り、鳥を見つけて吠えるなど、犬が無心にイタズラをするときがあります。犬は悪いことをしているという自覚がないので、飼い主を叱ってもまた続けるでしょう、その理由は犬としての楽しみや達成感が得られるために癖になってしまうからです。つまりハマるわけです。単に退屈だったところに、偶然面白さを発見して夢中になってしまうのです。こうなると、犬はそのイタズラに依存し続け、それがないとイライラしたりする中毒状態になることもあります。一時的にイタズラを中断しても、しつこく繰り返すようになります。叱られたとしても、目を離した隙に再開します。
知的で、活動的な犬には仕事が必要です。充実感のない退屈な日々をどのように過ごすか、考えて見てください。もしあたなが犬になり、1日中ケージに入っていなくてはならないとしたら、どんなことを考えるでしょうか?1日に1度でいいから、何かパーッと心が晴れるような、素敵なことはないかと考えるのではないでしょうか?
愛犬のイタズラが激しくなったと感じたら、そんな時は、禁止ばかりするのではなく、犬に譲ってやる気持ちが必要です。例えば、庭の一角を穴掘り専用に作り、そこに日々のおもちゃやおやつを隠して、好きなだけ穴を掘れるようにしてあげたり、ノーリードで話して遊んでやったりするのです。
毎日が退屈極まりない犬には、エネルギー発散の機会を多く作り、飼い主は他に犬が十分な満足感の得られることを探してあげなければいけません。そうすれば、イタズラをすることは激減するはずです。
しつけの方法はいろいろありますが、犬の行動心理学を応用した「陽性強化」による方法を詳しくご紹介しましょう。
褒めてしつけを行う陽性強化法とは?
犬が行った行動に対して、褒めることによってその行動をより強化します。
この方法は、しつけの初心者にとっては優しい方法ですのでおススメです。
しかも、叱ることによる失敗(飼い主との信頼関係にひびが入ったり、犬の性格をだめにしてしまうようなこと)がありません。
ご褒美には、褒め言葉と食べ物、おもちゃ、生活上犬が一番やりたいと思うことなどを併用します。始めは食べ物で釣るように誘導しますが、食べ物がないという事を聞かなくなる訳ではありません。徐々に食べ物は減らしていきましょう。
偶然とった行動をほめてあげることも効果的です。
ほめられたきっかけとなった行動を犬自身がやりたくなるよう、感情面から強化する事ができるため、犬の素質を伸ばしてやることができ、生き生きとした楽しい性格の犬に育てる事ができます。
具体的な方法については、各章で述べていきますね。
逆に、してはいけないことをしそうになった時は、警告を与えて間違いである事を知らせ、代わりに他のことを命じて従わせ褒めるのです。
犬はほめられたい一心から、同じ間違いを起こしにくくなります。すでによくない行動をとってしまったときには、反応せず無視することもあります。
犬はこのことから、ほめられるためにはどうすべきかを考えるようになり、次第に無駄な行動はとらなくなってきます。
犬のしつけをするための効果的な褒め方は?
この陽性強化法の良いところは、ある程度できるようになるまでは毎回ご褒美が必要ですが、その後はランダムに褒めるほうが効果が上がる事です。
犬の正しい行動に対して、毎回必ずあなたが飛んで行ってほめなくてもよいのです。
いつも褒められていると次第に褒められるのが当然のように感じられ、特別嬉しい気持ちはなくなり、努力もしなくなってきますが、たまに、しかし心から褒められた時はうれしく感じるものです。
素敵なプレゼンと一緒だとなおの事です。みなさんの子供の頃を思い出してみてください。
先生から褒めてもらった記憶は今も心の中に嬉しさや、誇らしい気持ちとして残っていませんか?
犬にとっても心から褒められた記憶は確実に学習されます。
この方法は、簡単で効果が期待できる、とても楽な方法であることがお分かり頂けると思います。
犬をしつける時の正しく叱る方法とは?
正しいことを教えるために犬を罰する方法もありますが、じつは叱るというのは一番難しいテクニックで、専門的な理解が必要です。
犬は、いつもは優しいかと思うと、突如厳しく変貌する飼い主の行動の意味するところが理解できません。近視されることで何をして良いのかわからず混乱してしまいます。
何度も叱られると、飼い主の気配だけで固まってしまったり、意欲消沈したり、抑圧されると起こる心理的傾向が表れます。犬の首根っこを押さえて怒鳴っても、目を見て叱りつけても、その意味を犬が正しく理解することはほとんどありません。
なぜなら、犬は、叱られたときに犬特有の解釈をするものなのです。
犬は叱られた時に、その場にいた飼い主の顔や声、偶然見かけた犬、自転車、音などを一緒に関連付けて、すべてを嫌な記憶としてまとめて覚えてしまう性質があります。
何が原因で叱られたのか、飼い主の考える好ましくない行動とは何か、犬には知るすべはありません。
飼い主の様子が一変すると怖くなり、体を小さくして飼い主の叱責から身を守ろうとします。
これを飼い主から見ると、まるで「ごめんなさい」のポーズに見えますが、犬は以前叱られた事を理解・反省し、「今度からはいたしません」と飼い主に詫びている訳ではありません。
犬は以前叱られた飼い主の怖い顔や、関連付けして覚えた恐怖のきっかけから連想し、あなたの様子に怯えているだけなのです。その証拠に、その後も犬は同じ間違いを何度も繰り返します。
もちろん、犬が嫌悪刺激から身を守るために学習することはあります。
叱られないようにするにはどうしたらようか、賢い犬は、次回こそは飼い主に見つからないようにしよう、飼い主がいないときにすれば良い、などと思うでしょう。
犬は精神的肉体的に追い詰められ、逃走するか、闘争するか、もしくは固まるしか道がなくなります。
何度も叱られると犬の意欲は削がれ、飼い主の威圧的な態度に疑い深い目を向けるようになり、ついには、それ以上叱られないように飼い主に噛みついたりするようになります。
飼い主との信頼関係を損なうことに繋がると大変厄介ですから、叱ることは、しつけの専門家以外は行わない方がよいでしょう。
飼い主と犬との信頼関係を築く方法
叱ることで犬をしつけようとした場合に必要な条件は、24時間365日、必ずその現場に居合わせる事と、その瞬間から2秒以内に、例外なしに叱ることができる場合のみ効果があると言われています。
飼い主が就寝中、来客中などの不在時には犬を叱ることはできません。したがって、叱って教える方法は現実的には実行不可能な事なのです。
飼い主がいる時に限って叱られた犬は飼い主の手の及ばないときには好きな事をしてよいと理解するでしょう。飼い主の気まぐれで叱ると、犬は飼い主に対して信頼関係を失い、こそこそと期待に反するようなことばかりするようになります。
しつけをするためには、犬に対して怒りを爆発させたり、くどくど叱ったり、叩いたりして叱ることは決してしないよう、精神的にいつも平静に対応しましょう。叱る代わりに何をすれば正しいかったのかを教えてやらなければ意味がありません。
人間が子供を叱る際は、言葉によって考えさせ、理解させる事ができますが、犬は違います。言葉の意味は結局理解できません。また飼い主の考える善悪の判断もできないということを覚えておいてください。
みなさんの中には、これまで何度叱っても同じ間違いを売り返す犬に怒りを感じ、思わず暴力的に叱りつけてしまった経験をお持ちの方は少なくないでしょう。先ほども申し上げた通り、叱られた意味を犬が正しく理解することはありません。
強く叱れば、犬は肝に銘じて理解するに違いないというのは人間の妄想なのです。しつけと称する虐待にすぎません。叱って教える以外によい指導方法を知らないために、いう事を聞かない犬に対する怒りの矛先を直接犬に向けているにすぎません。
それによって、犬の心がどれほど深く傷ついているかについて気づく方は少なく、犬との信頼犬にひびが入り、犬を誤解したままでいるのが現状だと思います。
天罰方式で叱る効果的な方法とは?
飼い主が不在の時や、飼い主から遠く離れている犬に対して、水鉄砲で水をかえたり、小石を入れた空き缶を落とすなどの天罰を用いる場合があります。
飼い主が直接罰すると、飼い主に怯える犬が出来上がるだけとなりますが、この方法は、やりようによっては効果がある場合があります。
しかし毎回確実にうまくやらないとすぐに見抜かれ失敗してしまいます。
予想もしていなかったことに怯えるようになってしまうかもしれません。
闇雲に行わず、本当に効果があるかどうか、じっくり考えてから使用すべきでしょう。
その他のしつけに関する事
大型犬のしつけをしつける上で大事な事は?
本来、人間との共同作業を得意とする大型犬は活動性も高く、遊びや運動の要求は膨大です。
飼い主はタフで活動的でなければ世話をしきれないでしょう。動作が大きく、力が強い犬が多いので、常に早いタイミングでの対応が重要になります。
飼い主がぼんやりしていると、手に負えなくなる恐れがあります。
大型犬の場合、しつけがうまくいかないまま成犬になれば、人間の体力では通用しなくなる場合もあります。飼い主が引き倒されたり、飛びつかれて転倒したりするなど、怪我をしてしまうことになるかもしれません。
覚悟して臨みましょう。
○室外飼育での飼う方におススメな方法とは?
寒冷地でも難なく耐えられる犬種以外は、なるべく室内で飼う事が望ましいです。
短毛犬種では、日本の冬の気候にまず耐えられないでしょう。
犬はもともと社会性のある動物ですから、常に群れの近くにいる必要があります。
ですから、庭で飼う必要があります。ですから、庭で飼うにしても家族の様子が伝わりやすい位置に犬舎を置くことが望ましいとされています。
広い運動スペースを用意するだけでなく、必ず毎日愛犬を連れて散歩・運動をたっぷりさせてやれる時間を作ることが大切です。また意識的にスキンシップの時間も作ってあげるようにしてあげて下さい。
散歩に連れていかずに、1日中鎖でつないだままというのは絶対にやめて下さいね。
もし、鎖でつないで飼うしかなく、しかも十分に散歩に連れて行く時間もないのなら、いっそ犬を飼う事はあきらめた方が良いでしょう。
室外で飼う場合も、基本的なつきあい方や考え方は室内犬で飼う場合と変わりがありません。
外飼いの犬は、飼い主家族と一緒でない不安感から、警戒心が研ぎ澄まされ、非常に吠えやすく、常に緊張状態で過ごさなければなりません。
もし、塀の外の犬や通行人に吠えてしまうような事があったときには、名前を読んで叱ったりすると、飼い主が味方してくれていると勘違いして、余計に吠えてしまう場合があるのでやめましょう。
缶などを投げて犬を驚かせるなどの天罰が有効な場合もありますが、基本的に犬は緊張感や不安感から吠えている訳ですから、通行人から見えにくい場所に犬舎を移動させたり、夜間は玄関や室内に入れケージで寝かせるなど、ストレスを緩和してやるよう配慮してやることの方が大切でしょう。
○手におえない犬の対処法
非情に活発な犬で、力が強く、家族のだれも対処できないということがあれば、一人で対処しようとはせずに、まずは専門家に扱い方のコツをしっかりと学ぶべきです。そうでなければ、自分自身が大きな怪我を負う場合もありますので。
本来、そのような手におえない犬は飼うべきではありません。
しかし、一旦家族に迎えると決めた以上、簡単に責任を放棄し手放すことなど許されません。費用や時間がかかったとしても、努力して、理想的な愛犬にする努力をするべきです。それでも物理的に制御ができないのであれば、早期に相応しい飼い主を探す事をお勧めします。
しかし、飼い主が変わることほど犬にとって不安なことはないということを肝に銘じて下さいね。
このことからも、犬のしつけをスタートするのは早狩れば早いほど良いという事がわかります。
問題行動が起きてから対処するのではなく、問題行動が起きないように、初めからきちんとしつけを行うようにしましょう。